産経ニュース

【世界勲章物語】レーニン勲章 社会主義革命が生みだした栄誉 関東学院大教授・君塚直隆

ライフ ライフ

記事詳細

更新

【世界勲章物語】
レーニン勲章 社会主義革命が生みだした栄誉 関東学院大教授・君塚直隆

旧ソ連のレーニン勲章 (「Military Force」井上治氏提供) 旧ソ連のレーニン勲章 (「Military Force」井上治氏提供)

 1917年2月(グレゴリオ暦3月)。それまで皇帝や貴族らの圧制下に置かれてきたロシアの市民たちが立ち上がった。300年にわたって続いたロマノフ王朝は崩壊し、同年10月(同11月)の2度目の革命を経て、専制帝国ロシアは史上初の社会主義国家「ソビエト社会主義共和国連邦(ソ連、創設は22年12月)」へと大転換を遂げた。今年はそのロシア革命勃発から100周年を迎える。

 ソ連の成立から1年少しほどしかたっていなかった24年1月、革命の最高指導者ウラジーミル・レーニンが急逝した。それから6年後の30年4月に中央執行委員会によって創設されたのが、ソ連最高の栄誉「レーニン勲章」である。

 中央部にはレーニンの力強い横顔が彫られ、共産党の表象である鎌と鎚(つち)、小麦の穂がこれを取り囲む。レーニンの背後には、煙突やトラクター、発電所など産業化の象徴が描かれている。デザインは時代とともに少しずつ変わり、43年からは赤地に黄色の縞(しま)が入った小綬が付けられ、以後は変わることもなかった。

 レーニン勲章制定の4年後には、「ソ連邦英雄」の称号が新たに導入され、39年からは赤い小綬の金星章も授与されるようになった。50年代以降にソ連の最高指導者となるフルシチョフやブレジネフが左胸にこの金星章を幾つも並べ、レーニン勲章とともに誇らしげに佩用(はいよう)する姿を、新聞やテレビのニュースでごらんになった読者も数多くいることだろう。いつしかこれらの勲章は、彼ら最高指導者の権威の表象となってしまった。

続きを読む

このニュースの写真

  • レーニン勲章 社会主義革命が生みだした栄誉 関東学院大教授・君塚直隆

「ライフ」のランキング