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【原発最前線】福島第1原発を3年半ぶりに視察し、感じた「前進」と「停滞」

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【原発最前線】
福島第1原発を3年半ぶりに視察し、感じた「前進」と「停滞」

3号機の側面。上部のがれきは撤去されたが、側面には事故の爪痕が残る(代表撮影) 3号機の側面。上部のがれきは撤去されたが、側面には事故の爪痕が残る(代表撮影)

 建屋の周囲を凍らせて地下水の流入を減らす凍土遮水壁も完成間近で、汚染水の増加抑制に寄与するとみられている。

作業員の労働環境も大幅に改善

 しかし、1~3号機の原子炉建屋内部はほぼ手つかずだ。

 1~4号機が見渡せる高台に立つと、真っ先に1号機の姿が目に飛び込んできた。1号機は事故直後に放射性物質の飛散防止のため取り付けられたカバーが外されており、事故当時の姿がそのままさらされていた。建屋上部ではゆがんだ骨組があらわになり、燃料を交換するための機器などが崩れ落ちていた。

 隣の2号機は水素爆発していないので、一見すると健全だが、原子炉内の燃料は溶け落ちており中の放射線量は高い。最近では格納容器内の調査が進められており、溶けた燃料(燃料デブリ)とみられる堆積物や推計値で毎時650シーベルトの場所が見つかった。調査は大きな前進といえるが、同時に廃炉の難しさを改めて突きつけられたというのが正直な印象でもある。

 3号機は水素爆発した建屋上部のがれき撤去が完了し、他に比べて建屋の高さが低くなっていた。今後は使用済み燃料を取り出すためのカバーの設置作業が本格化する。1~3号機の中で最も進んでいるといえるが、高い放射線量に苦戦しており、当初の計画よりも半年以上の遅れが生じているという。

 原発事故から間もなく6年。東電は緊急性が高いものや、できることから順次、作業を進めてきた。敷地内にコンビニエンスストア「ローソン」や食堂がオープンするなど、作業員の労働環境も大幅に改善している。

 東電は「これまでは汚染水や周辺環境の対策がメーンだったが、これからはより高度な作業が増えてくるだろう」と話す。今夏には燃料デブリの取り出し方針を決める予定で、廃炉作業は新たなステージにさしかかっているともいえる。

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