産経ニュース

【維新150年 高知編(1)】戦時接収免れた龍馬像 桂浜(高知市)

ライフ ライフ

記事詳細

更新

【維新150年 高知編(1)】
戦時接収免れた龍馬像 桂浜(高知市)

桂浜に立つ龍馬像。昭和3年、「高知縣青年」たちによって造られた 桂浜に立つ龍馬像。昭和3年、「高知縣青年」たちによって造られた

 とんでもない日に来てしまった。鉛色に染まった海からは雨が横殴りに吹きつけ、水平に差したビニール傘がブルブルとふるえた。空は垂れるような鈍色に染まり、まるで冬の日本海のようだった。

 坂本龍馬の巨大な銅像は、桂浜にせりだした龍頭岬の先端に立っていた。代表的な観光スポットだが、さすがにだれも登ってこない。石段の下の、あちこちにあった土産物店も客はまばらだった。

 「リョーマの休日」という、映画「ローマの休日」を知らなかったら、意味不明としかいいようがないコピーを付けた観光キャンペーン用の幟(のぼり)が、あちこちではためいていた。だが幕末を疾風のように駈けぬけ、わずか31歳で横死した男には「リョーマの休日」などはなかった。

 仰ぎ見ると、龍馬の濡れた顔は写真で見るよりも、ややハンサムだ。「龍頭岬」という地名といい、龍馬像を建てるのにはぴったりの場所である。裏手にまわると、緑青がふいたプレートに、

 「時 昭和参年五月/建設者 高知縣青年」

 と刻まれていた。ふたつの疑問が落ちてきた。戦時中、各地の銅像は「銅像応召」の名のもとに、次々に撤去・接収された。高知城にあった山内一豊や山内容堂、板垣退助らの銅像も姿を消した。

続きを読む

このニュースの写真

  • 戦時接収免れた龍馬像 桂浜(高知市)

「ライフ」のランキング