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【話の肖像画】トラベルライター・兼高かおる(1)ケネディ大統領はイイ男

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【話の肖像画】
トラベルライター・兼高かおる(1)ケネディ大統領はイイ男

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 〈日曜日の朝、ジェット機を背景に優雅なテーマ曲が流れる。あこがれの世界の旅へと案内してくれるのは、この人の上品な日本語だった。番組が始まった昭和34(1959)年は、まだ日本人の海外旅行が自由化される前。庶民にとって外国は夢のまた夢、1ドル=360円の固定相場で、外貨の持ち出し制限があった時代だった〉

 最初の取材地はローマ。香港で1泊し、プロペラ機で52時間かかりました。そこから約100日間、15カ国ぐらい回ったかしら。スタッフは私を入れて3人だけ(他にカメラマンとアシスタント)。イギリスの撮影クルーなんて十数人ですよ。だからこちらは1人で何役もしなくちゃなりません。プロデューサー、ディレクター、そして出演者…。日本に帰ったら編集作業やナレーションを入れる仕事が待っていますから徹夜の連続。それでもこの仕事が大好きでしたから、毎日が充実していました。

 現地での取材は随分熱心にやりましたね。情報収集のコツはまず土地の飲み屋街へ行くこと。外国人の女(兼高)が来て珍しそうに見ていると、地元の人がごちそうしてくれたり、「家においで」って誘ってくれたりする。家の中を見ると、庶民の生活ぶりが分かるでしょう。ナレーション原稿まで私が書くようになったのは現場に立った者しか伝えられない光景があるからです。番組で紹介する細かな情報まで資料や本を読み、徹底して自分で調べました。

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