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【マンスリー囲碁】打ち初め式 話題はAI一色

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【マンスリー囲碁】
打ち初め式 話題はAI一色

打ち初め式で抱負を語る謝依旻女流名人(右から2人目)や高尾紳路名人(右)ら 打ち初め式で抱負を語る謝依旻女流名人(右から2人目)や高尾紳路名人(右)ら

 1月5日は語呂合わせで「囲碁の日」として毎年、打ち初め式が行われる。ファンを前に、タイトル保持者らが1年の誓いを立てるのが恒例だが、今年はちょっと様子が違った。

 日本棋院東京本院であいさつした小林光一名誉棋聖(64)が「コンピューターが囲碁の分野で人間に追いつくのは無理だと思っていたが…」と口火を切ると、石田芳夫二十四世本因坊(68)も「人間はなかなか強くなれないのに、人工知能(AI)はアッという間に力をつける」と恨み節。昨春、韓国の李世(●=石の下に乙、イ・セドル)九段(33)を4勝1敗で破った「アルファ碁」が念頭にあった。

 ベテラン勢ばかりではない。藤沢里菜女流本因坊(18)が「年明けにすごい人工知能が出てきて、ちょっと驚いています」と言及したのは、インターネット上に突如出現した「Master」のこと。世界No.1の中国・柯潔九段(19)とみられる棋士らトップ級相手に1週間で60戦全勝。「アルファ碁」の進化版だと開発者のデミス・ハサビス氏が明かした。

 強すぎるAIに振り回される棋士たち。この状況に日本棋院では今年の対局から、休憩中も含めスマートフォンなどを使用して囲碁に関する情報を得た場合、対局停止や除名処分を下す規定を設けた。昨年、将棋界で浮上した電子機器不正使用疑惑を未然に防ごうとの措置だ。

 AI一色に染まった式典。張栩(ちょうう)九段(36)が「(AIの)驚異的な進化で大きな変化が起きそう」と話したように、今年はかつてないほど囲碁界の動向に関心が集まる1年になりそうだ。(伊藤洋一)

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