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【視線】神話「アマテラス」が現代芸能「よみ語り」とコラボ 700年26代の伝統を誇る能・金剛流の挑戦 編集委員・安本寿久

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神話「アマテラス」が現代芸能「よみ語り」とコラボ 700年26代の伝統を誇る能・金剛流の挑戦 編集委員・安本寿久

 金剛流宗家が京都にあるのは、勅使として幕府に下向する貴族たちに能を教える家も兼ねていたためだ。現在、金剛能楽堂(京都市上京区)があるのは京都御所の西、室町幕府の「花の御所」の跡地そば。能が、武士階級に愛された芸能だったことをしのばせる。

 京都という土地柄、能を楽しむ観客には外国人も多い。そして舞妓(まいこ)さん、芸妓(げいこ)さんも。能の足の運びが京舞のそれと同じだからだ。悩みは、新たな客層がなかなか広がらないこと。簡略美を目指す能特有の緊張感、張り詰めた能楽堂の空気などが、どうしても若者には入りにくい雰囲気を感じさせるためである。

 「感じてもらう芸能だから筋書きも分かりにくい。細かいところまで分かってもらう工夫ができれば、理解も広がる」

 金剛さんは、現代芸能の「よみ語り」とコラボすることにした。女優・浅野温子さんが13年前からライフワークにしている1人語りの舞台だ。浅野さんが主なテーマにしているのは、古事記や日本書紀が描く神話。神話には人間ドラマの全て、たとえば夫婦の愛憎や親子の葛藤、兄弟姉妹の確執などが余すことなく書かれている。それを演じ切る女優を目指したいと始めた芸能である。

 能の詞章、つまりせりふや謡は古語。主に平安時代の言葉で表現される。よみ語りは現代語。同じテーマで舞台をつなげれば、観客の理解は深まるというもくろみだ。

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