産経ニュース

【視線】神話「アマテラス」が現代芸能「よみ語り」とコラボ 700年26代の伝統を誇る能・金剛流の挑戦 編集委員・安本寿久

ライフ ライフ

記事詳細

更新

【視線】
神話「アマテラス」が現代芸能「よみ語り」とコラボ 700年26代の伝統を誇る能・金剛流の挑戦 編集委員・安本寿久

 「神男女狂鬼」

 こう書いて「しんなんにょきょうき」と読む。伝統芸能・能の主役(シテ)たちのことで、現在演能される約200曲は、この5ジャンルに区分される。各分野から1曲、1日5曲を演能するのが本式の能公演で、「五番立(ごばんだて)」という。多忙な現代の公演では2曲が平均だが、その際もこの順は崩さず、「神女」「男狂」などという選曲が行われる。

 初番目として「神」が置かれている。神仏の霊験をたたえる能で、脇物能ともいわれる。「高砂」「絵馬」「賀茂」などがある。修羅道に落ちた武士の能(二番目・男)、女性が主役の優美な能(三番目・女)、他の分類に入らない能(四番目・狂)、鬼退治物など豪快な能(五番目・鬼)に先駆けて舞われるのは、能が神仏と縁が深いものだからだ。

 「元々は社寺の境内で行われていた芸能で、宗教行事や祭りの余興としての歴史がある。たとえば鬼の芸は、悪霊を払う目的があったものです」

 シテ方の金剛流二十六世宗家、金剛永謹(ひさのり)さんはそう話す。室町時代以来の伝統を誇る能のシテ方宗家は5家ある。観世、金剛、金春、宝生、喜多で、京都に宗家を置く金剛流以外はすべて、江戸時代に生まれた喜多流も含めて、東京に宗家がある。徳川幕府が能を「能楽」として朝廷の雅楽に対抗するものにするために、当時の大和四座の太夫を召し抱え、江戸に移住させたためである。

続きを読む

「ライフ」のランキング