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【マキャベリ流-是非に及ばず】NOBUNAGA(6) 新君主は善事を行いつつ、要あらば悪にふみこめ

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【マキャベリ流-是非に及ばず】
NOBUNAGA(6) 新君主は善事を行いつつ、要あらば悪にふみこめ

 安土城跡(滋賀県近江八幡市)は不思議な空間だ。

 ここでは石垣や石塁、●見寺(そうけんじ)(織田家の菩提(ぼだい)寺)三重塔に二王門、何百段という石段などが往時をしのばせているが、その大半はむき出しの地面か山林である。気象は結構気まぐれだ。訪れたある冬の一日は雪が乱舞したあと一転して晴れたり曇ったり。その翌日は早春を思わせるような好天だった。

 あの男-もとい、お師匠(マキャベリ)様(さん)は「想像の世界などに遊ぶな」などとのたまう。しかし、聞こえてくる気がする。この安土城跡を訪れると430年前のどよめきとざわめきが…。天主跡に登り、周囲を見まわしたとき、納得する。織田信長が自らを「神」と考えてもそうおかしくはないのではないか、と。

 そんな安土城の運命は、はかなかった。天正4(1576)年正月に着工し、信長は約1年後、岐阜城から移り住んできたものの、いまだ工事中であり、見る者すべてがため息をもらした7層の壮麗な天主が完成したのはその2年後。しかし、「本能寺の変」の2週間後にあたる天正10年6月中旬には天主が焼け落ち、まもなく廃城に至る。

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