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【本郷和人の日本史ナナメ読み】戦国時代の行軍(下)秀吉の天下取り、カギは「速度」

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【本郷和人の日本史ナナメ読み】
戦国時代の行軍(下)秀吉の天下取り、カギは「速度」

前田利家像(模本、東大史料編纂所蔵) 前田利家像(模本、東大史料編纂所蔵)

 歩兵は歩くのが商売。そうはいっても、さあこれから戦うぞという戦場に到着したら、敵の監視の目がありますので、うかつにうろつき回るわけにはいきません。そこで今度、歩兵は土木作業者に早変わり。火力が激烈になった近代だったら塹壕(ざんごう)を掘るところでしょうが、戦国時代はそこまではいかない。土を削って即席の堀を造り、削った土を積み上げて防塁を造り、自分たちの身を守るための陣地造りを始めるのです。

 鎌倉時代の中ごろ、海の向こうからやってくるモンゴル兵に対して鎌倉武士は石を積んで防塁を築きました。今その一部が復元されていますが、高さは人の身長くらい。これといった工夫があるわけでもない。え、こんなんで大丈夫だったの、と驚くほどシンプルなもの。これに比べると、戦国時代の戦場でのいわゆる「野戦築城」は、手がこんでいる。悲しい現実ではありますが、戦争は間違いなく、技術の進歩に一役買っているのですね。

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