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門田隆将さん「汝、ふたつの故国に殉ず」 日台の絆、正義と勇気の人

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門田隆将さん「汝、ふたつの故国に殉ず」 日台の絆、正義と勇気の人

「台湾のことを知らない若い人にも読んでほしい」と話す門田隆将さん(喜多由浩撮影) 「台湾のことを知らない若い人にも読んでほしい」と話す門田隆将さん(喜多由浩撮影)

 日本と台湾はなぜ強い絆(きずな)で結ばれているのか…。ノンフィクション作家の門田隆将さん(58)が双方にルーツを持つ男の生涯を追いながら、このテーマに斬り込んだ。日台で出版された『汝(なんじ)、ふたつの故国に殉(じゅん)ず』(KADOKAWA)。日本統治時代、国民党政権下で起きた二・二八事件、苦難の時代と正面から闘った「正義と勇気の人」。不屈の精神と祖国への真摯(しんし)な愛に心を揺さぶられる。

 湯徳章(とう・とくしょう)(日本名・坂井徳章)は、日本統治時代の明治40(1907)年、日本人の父と台湾人の母との間に台湾南部の台南で生まれた。熊本出身の父・坂井徳蔵は新天地を求めて台湾へ渡り、警察官になる。

 だが、徳章が8歳のとき、徳蔵は地元の暴徒が警察を襲撃した西来庵(せいらいあん)事件によって命を落としてしまう。このとき徳蔵は死を覚悟して暴徒と対峙(たいじ)し、徳章ら家族だけを逃した。

 日本統治時代の初期のころ、反発する台湾人に襲われ、日本人が殺される事件も少なくなかった。本書で触れられている「芝山巌(しざんがん)事件」は明治29年正月、台湾に近代教育を根付かせるために日本から渡ってきた6人の教師らが暴徒によって惨殺された事件だ。教育に使命感を持ち、毅然(きぜん)とした態度で逃げることもなく、抵抗することもなく死んでいった教師らの姿は台湾人に衝撃を与える。

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