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【児童書】『水の生きもの』ランバロス・ジャー作、市川恵里訳 今にも絵が動き出しそう

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【児童書】
『水の生きもの』ランバロス・ジャー作、市川恵里訳 今にも絵が動き出しそう

ランバロス・ジャー作 市川恵里訳『水の生きもの』(河出書房新社・3800円+税) ランバロス・ジャー作 市川恵里訳『水の生きもの』(河出書房新社・3800円+税)

 絵に触れると、浮き出たインクが指に付きそうなほど美しい発色にひかれた。インド東部ビハール州にある伝統絵画、ミティラー画を用いた手作り絵本。印刷の色合いが異なるのは、チェンマイの工房で手漉(す)き紙を用いて、シルクスクリーンを使い一枚一枚を手刷りして制作したため。絵本というより、水の生き物をテーマにした版画集といったほうがふさわしい。

 登場するのはカメや魚、結婚の象徴であるハスの花に囲まれた白鳥など、ミティラー画でよく用いられるモチーフから、ロブスターやワニといった独自の感性で描きだした生き物たち。ページの隅々までを覆う、まるで指紋のような繊細な線描と生き物たちのユーモラスな動きと表情を眺めていると、今にも絵が動き出しそうな錯覚に襲われる。

 作者のランバロス・ジャー氏は、ミティラー地方のダルバンガー県生まれの新進画家。生産者の持続的な生活向上を支える仕組み、フェアトレードにより届いた手作り絵本が、かの地で育まれた美意識を伝える。(河出書房新社・3800円+税)(村島有紀)

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