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【からだのレシピ】脳エクササイズで認知症予防

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【からだのレシピ】
脳エクササイズで認知症予防

ブレインHQについて語るヘンリー・マンカ博士 ブレインHQについて語るヘンリー・マンカ博士

 ■ネスレ日本「ブレインHQ」で発症リスク半減

 現在、約4人に1人が65歳以上の高齢化社会を迎えている日本において、認知症は誰もが避けることのできない問題となっている。2025年には認知症有病者は約700万人、高齢者の5人に1人の割合になると推計される(2014年度『日本における認知症の高齢者人口の将来推計に関する研究』厚生労働科学特別研究事業)。

 カナダ・トロントで7月に開催された「国際アルツハイマー病会議」で、脳トレーニングプログラム「スピードトレーニング」を利用した大規模介入試験が認知症の発症リスクを48%低下させたという研究結果が、米国のサウスフロリダ大学のジェリー・エドワーズ博士によって発表された。健康な65歳以上の男女約2800人を対象にした無作為比較試験で、10年間追跡調査を行っている。同プログラムを初年度、1年後、3年後と合計11時間以上実施したグループと実施していないグループの認知症発症率を10年後に比較したところ、実施したグループでは発症リスクが48%低下していた。

 この「スピードトレーニング」は、現在、ポジット・サイエンス社が脳エクササイズ「ブレインHQ」の名前で提供している。先頃開催された「日本認知症学会」のセミナーでも、来日した同社CEOのヘンリー・マンカ博士が、「ブレインHQ」の認知症発症リスク減について報告した。同エクササイズは、1970~90年代に行われた多くの実験で証明された、大人になってからの脳も変化することができるという「脳可塑性」の理論に基づいている。目や耳などの感覚器を使い情報を吸収する力をトレーニングし、脳の処理速度、記憶力、注意力などを高める。

 マンカ博士は「食事や運動など脳にいいと言われているが、誰も実験で証明していない。認知症発症リスク低下が認められた研究はこれが初めてだ。このエクササイズは人種・性別・年齢など関係なく効果が見られる。途中でやめても長期間効果は残っているが次第に消えていくので継続することが望ましい」と語る。国内ではネスレ日本が「ブレインHQ」の日本語版の提供をしている。(宇山公子)

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