産経ニュース

【マキャベリ流-是非に及ばず】NOBUNAGA(1)あの男が「やむをえぬ」?彼を動かしたのは栄光か、情熱か

ライフ ライフ

記事詳細

更新

【マキャベリ流-是非に及ばず】
NOBUNAGA(1)あの男が「やむをえぬ」?彼を動かしたのは栄光か、情熱か

 (なんとばかばかしい指示であることか)

 今春、東都の桜も見頃のころだった。熱弁のあまり、ぱくぱくと上下によく動く上司の口元を眺めながら、筆者は考えていた。

 (マキャベリの言葉で日本史を斬れ、だと? 主著の『君主論』や「マキャベリズム」はある程度有名だし、検索をかければ数十万のヒットはあるだろう。だが、それにしてもマキャベリとは… ルネサンス期のイタリア人? そいつがいったい、栄光ある日本史に何の意味があって、なにをしたと言うんだ…)

 そんな思いとは裏腹に、筆者はお追従の笑顔さえ浮かべながら、この上司に答えていた。

 「わかりました。『マキャベリで斬る日本史』ですね。いやあ、実にやりがいのあるテーマです。30年に及ばんとする記者生活のキャリアを飾る記事にしてみせます!」

                   

 (何であんなことを言ってしまったんだろう)

 心に浮かぶのは後悔ばかりである。

 (でも、ああ言わざるをえないわな)

 別の自分が慰める。

 「そうか、やってくれるのか!」

 くだんの上司はそう言って笑った。

 しかし、その目は笑ってはいない。妙な光を放っている。「これは君にとって最後のチャンスなんだからね」。考えすぎだろうか。そんなシグナルが発せられているような気がする。

 ご無理ごもっとも、是非に及ばず…か。

続きを読む

「ライフ」のランキング