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【話の肖像画】庭園デザイナー・石原和幸(4)英国女王から「緑の魔法使い」

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【話の肖像画】
庭園デザイナー・石原和幸(4)英国女王から「緑の魔法使い」

2011年、「チェルシーフラワーショー」の会場で、エリザベス女王に東日本大震災の被災地の写真を見せる (石原和幸デザイン研究所提供) 2011年、「チェルシーフラワーショー」の会場で、エリザベス女王に東日本大震災の被災地の写真を見せる (石原和幸デザイン研究所提供)

 〈チェルシーフラワーショーに出場し、高い評価を受け続けることで、日本に庭園文化を根付かせようと挑戦する〉

 2度目の出場となった2006(平成18)年は、5月の草原に吹き渡る風を意味する「青嵐」をテーマに金メダルとベストガーデン賞を取りました。お金をため、ちゃんとスポンサーも見つけて臨みました。

 このショーには4日間で20万人が来園し、英国のテレビでは一日中オンエアされるほどの人気です。ガーデニングの消費は英国で4兆円なんですが、人口が多いはずの日本は約3千億円です。日本はもともと、江戸時代に世界で最も庭師が多い国だったんです。庭は究極の日本人の文化だと思います。日本では忘れられた文化が、英国で評価されたのです。

 英国ではBBCやタイムズにも取り上げられた。帰国したらマスコミがいっぱいいると期待して、英国でスーツを買ってびしっと決めて成田に降り立つと、うちの社員が1人いるだけでした。日本でチェルシーの話をしても「アメのこと?」という反応で、全然話題にならないんです。

 「まぐれでしょ」という人もいて、悔しいのでチェルシーをみんなに知ってもらうために、出続けてやろうと思ったのです。

 07年のテーマは「雲庭」で、英国人が最も嫌う植物のコケを使って庭を造りました。芝にコケが生えると枯れるので、「ペスト」と呼ばれるくらい嫌われていました。その庭が「シティーガーデン」部門で金メダルに選ばれた。以後、世界中の庭師がコケを使うようになったのです。

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