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【ゆうゆうLife】個別化医療の時代(上) 肺がん薬物療法は… 遺伝子解析でオーダーメードが効く  

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個別化医療の時代(上) 肺がん薬物療法は… 遺伝子解析でオーダーメードが効く  

「ワンステップ」のおしゃべり会では、がん細胞の遺伝子変異などのタイプに分かれてグループを作る =横浜市 「ワンステップ」のおしゃべり会では、がん細胞の遺伝子変異などのタイプに分かれてグループを作る =横浜市

 東北大学の貫和(ぬきわ)敏博名誉教授は「効く人と効かない人が、あまりにもはっきりしていた」と振り返る。「飲み薬なのに、効く人は1、2週間で効果が表れる。だが、効かない人には全く効かない。その違いは何だろうと、医師はみんな思っていた」

 医師らの「経験則」で、「肺腺がん、アジア人、女性、非喫煙者」に効くことが分かってきて検証試験も始まった。だが、なぜ、その人たちに効くのかは分からないまま。理由が分かったのは、発売から2年後。米国の研究者が、患者のがん細胞に「EGFR遺伝子変異」がある場合に効くことを論文発表したときだった。

 ある製薬関係者は「そもそも、患者にそんな遺伝子変異があることが分かっていなかった」と衝撃を語る。

 貫和名誉教授らのグループは、変異のある患者だけを対象に、イレッサと従来の化学療法を比較。イレッサの効果がはるかに高いことを確認した。効く人に限定して使うことで不鮮明だった効果がはっきりした。このグループには、薬物療法の「第1選択」になることが判明した。

 多くの臨床試験が行われ、変異のない患者には、従来の化学療法の方が、効果が高いことも分かった。これを機に、学会の治療ガイドラインは、EGFR遺伝子変異の「ある人」と「ない人」に分けて書き直された。変異の有無が識別できる診断薬も保険適用され、イレッサは、変異のある人が使う薬になった。肺がん領域での個別化医療のスタートだ。

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