産経ニュース

東京国立近代美術館「瑛九展」 苦しみ抜いてつかむ「リアル」

ライフ ライフ

記事詳細

更新


東京国立近代美術館「瑛九展」 苦しみ抜いてつかむ「リアル」

「作品」 1937年頃 「作品」 1937年頃

 画家、版画家、写真家の肩書を持ち、戦前から戦後にかけて前衛的な作品を残した瑛九(えいきゅう)(本名・杉田秀夫)の活動を紹介する展覧会「1935-1937 闇の中で『レアル』をさがす」展が、東京国立近代美術館(千代田区)で開かれている。

 瑛九は表現活動を始めた当初、自身が「フォト・デッサン」と呼んだ多くの作品を制作した。一般的にはフォトグラムといわれ、印画紙の上にさまざまなものを乗せて感光させた作品だ。展示中の「眠りの理由」と題された10点のフォト・デッサンは、黒い画面に人体や植物のようなものが浮遊し、光と闇が戯れ幻想的。

 明治44年、宮崎県に生まれた瑛九。大正14年に上京し、美術学校や写真学校で学んだ。昭和10年、新人画家の登竜門とされる中央美術展に油彩画が初入選。翌年には、写真手法を取り入れたフォト・デッサン集「眠りの理由」が刊行され、美術界に鮮烈なデビューを飾った。本展会場に並ぶのは、かつて瑛九と友人だった山田光春(1912~81年)が所有し、同館が遺族から入手したものだ。

 瑛九は昭和12年、前衛画家たちによって結成された自由美術協会の第1回展に「レアル」と題したコラージュを出品。印刷物から切り抜いた写真で構成した作品には、顔や手足といった女性の人体の一部が、果物や衣服などの画像と組み合わされ、不可解な世界が展開されている。

続きを読む

このニュースの写真

  • 東京国立近代美術館「瑛九展」 苦しみ抜いてつかむ「リアル」

関連ニュース

【アート 美】神勝寺 禅と庭のミュージアム 無の境地へ導く「舟」

「ライフ」のランキング