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【父の教え】師匠なく… 父と梅棹氏の薫陶で地位築く 刷り上がりの「ときめき」が芸術家の原点に 版画家・田主誠さん 

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【父の教え】
師匠なく… 父と梅棹氏の薫陶で地位築く 刷り上がりの「ときめき」が芸術家の原点に 版画家・田主誠さん 

「版画家として続けてこられたのは、父と梅棹先生のおかげです」と話す田主誠さん (南雲都撮影) 「版画家として続けてこられたのは、父と梅棹先生のおかげです」と話す田主誠さん (南雲都撮影)

 さすらいの俳人・種田山頭火の足跡をたどる「山頭火シリーズ」や、古きよき日本の風景を描き続ける版画家の田主誠さん(74)。芸術家人生に大きな影響を与えたのが、印刷職人だった父、元近さんと、“もう一人の父”として慕う初代国立民族学博物館館長で民族学者の梅棹忠夫さんだった。「芸術の専門教育を受けず師匠もいなかった私が、版画家としてやってこられたのは父と梅棹先生のおかげ」と言い切る。

 元近さんは鳥取・米子藩の宮大工の家系に生まれたが、家が貧しく、同県米子市の学校で事務員として働いた。戦時中は舞鶴海軍工廠(こうしょう)(京都府舞鶴市)に勤務、その後タイへ出征したが、復員後は舞鶴で謄写版印刷所を営んだ。宮大工の血筋とあってか手先が器用で、特にロウ紙と呼ばれる特殊な原紙に鉄筆で細かい文字や絵を描く技術にすぐれていた。

 「無口で典型的な職人タイプ。士族の出というプライドもあったのか、とても厳しかった」

 小さな印刷屋だったため家族全員が仕事を手伝った。父が鉄筆で字や絵を描き、母の光栄さんがローラーで刷った。「母の手でローラーから刷り上がるときは“ときめき”さえ感じました」と振り返る。

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