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門井慶喜さん「ゆけ、おりょう」 龍馬の妻、自立した姿に光

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門井慶喜さん「ゆけ、おりょう」 龍馬の妻、自立した姿に光

「何度も壁にぶつかった」と語る門井慶喜さん 「何度も壁にぶつかった」と語る門井慶喜さん

 長年、構想を温めてきたテーマに着手したのは一昨年春。幕末は最も得意とするが、「何度も壁にぶつかった」のは、“門井版おりょう”の真骨頂が龍馬暗殺後のおりょうを描いた最終章にあるからだ。

 「通常、明治時代の史料は幕末期に比べて10倍以上は残っているものですが、龍馬が亡くなった後のおりょうに関する史料はほとんど残っていませんでした」

 手がかりが少ない中、可能な限り史実に基づきながら描いた。龍馬暗殺後、各地を転々としたおりょうは西村松兵衛という商人と再婚する。松兵衛に関する史料も少なく人物造形に苦労したが、「龍馬が惚れたおりょうが、龍馬よりも長く連れ添った松兵衛。人としての魅力にあふれていたに違いありません」。おりょうにとって、龍馬の死後は決して余生ではなかった。

 龍馬を陰で支えた人物に光を当て、現代に鮮やかに蘇(よみがえ)らせた力作は、歴史を動かしたのは決して有名な英雄だけではないということを再認識させてくれる。(戸津井康之)

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【プロフィル】門井慶喜

 かどい・よしのぶ 昭和46年、群馬県生まれ。同志社大学卒業。大学事務職員を経て平成15年、「キッドナッパーズ」でオール読物推理小説新人賞。「東京帝大叡古教授」が昨年の直木賞候補となり、「家康、江戸を建てる」も今年上半期の同賞候補となった。

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