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【マンスリー囲碁】前向きにAIと切磋琢磨する

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【マンスリー囲碁】
前向きにAIと切磋琢磨する

第3局を振り返る趙治勲名誉名人(左)とZenの加藤英樹代表=23日(春名中撮影) 第3局を振り返る趙治勲名誉名人(左)とZenの加藤英樹代表=23日(春名中撮影)

 国内最強とされる囲碁の人工知能(AI)「DeepZenGo」と、趙治勲(ちょう・ちくん)名誉名人(60)が対戦する「第2回囲碁電王戦」三番勝負は2勝1敗で趙が勝ち越し、人間の意地を見せた。一方的な結果にならなかったことは、双方に次の目標を与えた。

 19日の第1局で接戦を制したものの、翌日の第2局で敗れた趙は「半年後に対局したら勝てないかも」と今回の勝負を振り返った。世界トップレベルのソフトを目指し、ドワンゴが東京大学などと3月から改良を進めてきたZenが、わずか半年で急速に進歩していたのだ。

 中・終盤にどう打てば石が生きるかという計算が求められる詰め碁のような思考は、コンピューターが得意。打てる場所が多くある序盤は人間有利-。こんな認識は今春、韓国の李世●(イ・セドル)九段がグーグル傘下の企業が開発した「アルファ碁」に完敗したことで崩れ去った。「ソウゾウ(想像と創造)力が必要な序盤の布石は人間が上回ると思っていたのに…。長年正しいと思ってきた囲碁は何だったのか」。プロ棋士の常識にはないAIの一手に苦しめられた趙の偽らざる気持ちだ。とはいえ、「AIが強くなったら人間はそれを利用して強くなればいい。AIと切磋琢磨(せっさたくま)できれば」と趙の気持ちは前向きだ。

 Zen開発チームの加藤英樹代表も「負けることで改良すべき点が明らかになるので、トッププロとの対局はありがたい。アルファ碁に追いつくことと囲碁界への貢献を目標に努力したい」と力強く語った。(伊藤洋一)

●=石の下に乙

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