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【話の肖像画】作曲家・服部隆之(5)音楽に埋もれているときが至福のとき

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【話の肖像画】
作曲家・服部隆之(5)音楽に埋もれているときが至福のとき

父で作曲家の服部克久さん(左)と(本人提供) 父で作曲家の服部克久さん(左)と(本人提供)

 〈周りからも「親の七光」と言われることが多々あった〉

 「父親の七光と、おじいさんの七光で、もう14光だな」とか(笑)。そう言われると、いろいろな感情が湧きますよね。「面倒くさいな」という思いもあり、「そう見られているのなら失敗できないな」とも思う。「お父さんは天才だ」「おじいさんは天才だった」なんて言われたら、「ちぇっ」とも思うし、「この人たちは僕の音楽の良さが分からないんだ」と思うこともある。いろいろな気持ちがない交ぜになるよね。でも年を取ってくると、逆に「100年近く服部家は音楽をやってきていて、お前にはちゃんとその血が流れている。頑張っていけるぜ」というふうに、自分を鼓舞する材料で使えるようになりましたね。

 祖父とおやじに対し、親方や師匠という感覚はありませんが、すごく尊敬しています。「服部家には秘伝の巻物みたいなものがあるんじゃないの」とよく言われますが、ないですからね。仕事を始めてからは、おやじに質問したことはありましたが、直接音楽指導を受けることはなかったです。祖父は平成5年に亡くなりましたから、今、祖父と音楽の話ができたらどんなに面白いだろうと思います。

 〈まな娘の百音(もね)さん(17)も音楽の道に進み、若きバイオリニストとして活躍している〉

 演奏家というのは、アスリートみたいにとにかく死ぬほど練習しているんです。コンサートや、何年かに1回のコンクールに向かって日々鍛錬している。緊張感を高めてやっているから、余計に「音楽はマストじゃないよ」という雰囲気を作ってやらないとね。だから娘とは必要以上に音楽の話をしないようにしている。絶対に音楽で結びついていなければならないとは思っていないですよ。でも妻もバイオリニストとして音楽をやっていたし、まあ、みんな同志ですよね。チーム服部の一員という感じ。

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