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【話の肖像画】作曲家・服部隆之(3)高校を中退しパリへ…レベルの高い音楽が身近に

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【話の肖像画】
作曲家・服部隆之(3)高校を中退しパリへ…レベルの高い音楽が身近に

パリに留学していたとき(本人提供) パリに留学していたとき(本人提供)

 〈高校を中退して昭和58年7月にパリに渡った。パリ国立高等音楽院の入学試験を受け、同年と59年の2度落ちたが、3度目の正直で60年秋に合格した〉

 僕の入りたかった学科は17歳から入学ができたんです。だから、パリに行ってパリの空気を吸って、そこで音楽を聴いて学んで、というのを、早くやればやるだけいいのではという意見が家族の間で盛り上がりました。

 入学試験は、朝8時に試験会場に入って、10時間程度こもって仕上げる。だから自分で水やバナナを持っていってさ。僕は自分が受けたい科の先生に、入学試験の前からずっとプライベートレッスンを受けていたのですが、先生に「バナナは栄養価も高くて消化にもいいから試験には持っていった方がいい」などと言われました。

 〈パリでの暮らしは刺激に満ちていた〉

 地理的にアフリカにも近いし、欧州の中心的な位置でもあり、米国にも大西洋を渡れば6~7時間で行ける。だから一流のジャズミュージシャンも、当時共産圏のソ連や東ドイツのオーケストラなども、どんどんパリに来る。コンサートを聴くにも、立ち見席や天井桟敷の席があって、ものすごく安い料金で見られます。世界中のミュージカルがパリに集まってきていたし、東京-大阪間くらいの気持ちで飛行機に乗れば英国に行ける。そうしたらロンドンでミュージカルを見まくりですよ。「キャッツ」「レ・ミゼラブル」…。そうやって、いろいろな種類の音楽やエンターテインメントに触れることができました。手軽に、レベルの高い音楽がさっと手に入る、あの環境はとてもよかったです。

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