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売れない本を売る 八戸の「市営書店」開店へ 文化へ投資? 財政負担は年4000万円

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売れない本を売る 八戸の「市営書店」開店へ 文化へ投資? 財政負担は年4000万円

八戸ブックセンターが入居する複合ビル=青森県八戸市 八戸ブックセンターが入居する複合ビル=青森県八戸市

 青森県八戸市で12月、全国でも珍しい市営の書店「八戸ブックセンター」がオープンする。販売するのは「売れ筋ではないが、良質な本」に限定。書店が冬の時代を迎え、売れない本を扱う余力を失いつつある状況を受け、文化行政に熱心な市が役割を代行する。議会では税金を使うことへの慎重論も出た中、市民に受け入れられるのか注目される。

 ブックセンターは市中心部のビル1階に入居し、小さな書店では見かけにくい海外文学や人文・社会科学、芸術などの書籍を扱う。書店での勤務経験があり、市に新規採用されたスタッフが選書し、315平方メートルの売り場に8千~1万点を並べる。店内ではアルコールを含む飲み物も販売。1人掛けの椅子を設置し、くつろいで本と向き合える空間にした。

 日本出版インフラセンター(東京)によると、新刊を扱う全国の書店数は6月現在、約1万4千店。読書人口の減少を受け、10年前に比べ2割以上減った。特に小規模店の閉店が相次いでいる。

 東京で書店を経営し、八戸市にアドバイスした内沼晋太郎さん(36)によると、経営が厳しい書店は人気の雑誌やコミック、新書を中心に並べざるを得ない。内沼さんは市の事業の意義を「ビジネスとして成立しない知的好奇心を刺激する本と出合う機会をつくる」と説明する。出版文化産業振興財団(東京)によると、公営書店の整備例は北海道礼文町など少なくとも5カ所であるが、いずれも書店・図書館のゼロ地域解消が目的という。

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