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【話の肖像画】作曲家・服部隆之(2)嫌いにならなかった音楽

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【話の肖像画】
作曲家・服部隆之(2)嫌いにならなかった音楽

高校時代に吹奏楽部でトロンボーンを演奏する(右)=本人提供 高校時代に吹奏楽部でトロンボーンを演奏する(右)=本人提供

 〈祖父は作曲家の服部良一、父も作曲家の服部克久と、名門音楽一家に生まれ、幼少期から音楽教室やピアノ教室に通っていた〉

 全然面白くなかったです。校庭でドッジボールやサッカーをして遊んでいるほうが楽しいでしょう。ピアノは小学校中学年の頃には、もうつまらなくてつまらなくて。服部良一の孫で服部克久の息子、ということで、ピアノの先生も気合が入るでしょう。それがとてもつらいんですよ。そんなに一生懸命教えてくれなくていいのに、と思っていました。先生は10回くらい代わっているんじゃないかな。一生懸命教えたくてもサボるし、来ても練習してこないし…。先生もやりようがないですよね。

 母親からは怒られましたよ。でも父親は怒らなかったの。「ピアノ、あまり練習していないみたいじゃない」とおやじが言ってくるのは、最後通告だった。でもそのときもガミガミとは言わない。後で話を聞くと、おやじは、変にこじれたら音楽そのものを嫌いになるんじゃないかと心配していたみたい。ピアノを嫌いになってもいいけど、音楽を嫌いになられたら嫌だから、そうならないためにどうすればいいかを、常に頭に描いて接していたらしいです。

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