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【話の肖像画】作曲家・服部隆之(1)「真田丸」テーマ曲のキーワードは「土臭さ」

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【話の肖像画】
作曲家・服部隆之(1)「真田丸」テーマ曲のキーワードは「土臭さ」

(桐山弘太撮影) (桐山弘太撮影)

 〈クライマックスを迎えつつあるNHK大河ドラマ「真田丸」の音楽担当を務めている。大河への挑戦は平成16年の「新選組!」以来、12年ぶり2度目。脚本は前作と同じく三谷幸喜氏だ〉

 作曲家としてのエゴですが、「新選組!」と似たような曲にはしたくなかった。前作のメインテーマはNHK交響楽団(N響)と、合唱と独唱が入る特別な仕立てで、若い男たちが疾走する「きらめき」をテーマに作りました。今回は(主人公の)真田信繁というより、「真田家」の物語です。信州上田の身分の低い侍たちが必死に、泥まみれになって生活している雰囲気。最後に大坂の陣で、幸村となった信繁が家康をあと一歩のところまで追い詰める。その2つを1曲で表したかった。

 今回の曲は、最初バイオリニストが低音域で弓をわしわしとこすって、音を全部切るように弾いています。そのこすった感じが、僕としては土臭いイメージでした。あがいて一生懸命生活している「土臭さ」という僕の中でのキーワードと、NHK側が思っていた土臭さ。そして、左官職人の挾土(はさど)秀平さんが土に描いた題字…。きらびやかではなく地に足の着いた世界観が、ぴったりはまりました。

 〈メインテーマの録音は、昨年9月30日と決まっていた。8月初頭、最初のデモテープを提出したが、スタッフの反応は思わしくなかった〉

 なぜなら、大河ドラマらしい、幅広くて重くてドーンとした感じではなかったから。いきなりバイオリン1本で弾き出し、かなり長い間ソロで、N響はずっと伴奏。それが平気だと思う人もいたけど、半信半疑の人もいた。そこからみんなで話し合いました。「絶対大丈夫ですから」と言い続けるのもおこがましいですが、みんなを説き伏せて(笑)。多少修正はしました。デモを聴いた三谷さんからは、心強いことにメールをもらった。「すごくよかった」と言ってくれて、うれしかったですね。

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