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【天皇陛下ご譲位】皇室制度を考える 大原康男・国学院大名誉教授「陛下が『おられる』だけで共有される安堵感」

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【天皇陛下ご譲位】
皇室制度を考える 大原康男・国学院大名誉教授「陛下が『おられる』だけで共有される安堵感」

国学院大名誉教授の大原康男氏(大山実撮影) 国学院大名誉教授の大原康男氏(大山実撮影)

 そもそも論になりますが、公務を執り行うことができなくなった天皇は、地位を退かなければならないのでしょうか? 私はそうではないと考えます。

 思い起こしてみてください。昭和天皇の闘病中、皇居前には人々が記帳のための長い列をなしました。秋雨の中、何時間も何時間も待ちました。

 先の大戦、そして焼け野原からの復興、経済成長…。激動の時代をともに過ごしたという共感を人々が抱いていたからこそ、1千万もの記帳が集まったのです。

 戦後、天皇は「統治権の総攬(そうらん)者」から「象徴」へと位置付けが変わりましたが、精神的、文化的、社会的統合のシンボルであり続けています。

 天皇の「象徴」としての機能は、被災地訪問や行幸などの目に見えるものと、「おられる」だけで国民が安堵(あんど)感を共有するという性格のもの、大きく二つに分けることができます。「公務をできなくなったら退かなければならない」というのは、あまりに前者を重視し過ぎた見方ではないでしょうか。天皇の存在は、無意識のうちに社会の安定につながっているのです。

 こうした理由から私は譲位には反対です。皇室典範は精神、身体が重患、また、重大な事故で国事行為を行うことができない場合に、「摂政」を置くと規定しています。この条件に「高齢」を加えれば、譲位をされなくても対応できる。これが私の考えです。

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