産経ニュース

【科学】がん細胞内だけで核分裂 ホウ素中性子捕捉療法 副作用少なく実用化加速

ライフ ライフ

記事詳細

更新

【科学】
がん細胞内だけで核分裂 ホウ素中性子捕捉療法 副作用少なく実用化加速

 がん細胞だけを選択的に破壊して治療する「ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)」の実用化に向けた動きが加速している。装置や薬剤などの技術革新に伴い、今年に入って脳腫瘍などを対象に本格的な治験が始まった。副作用が少ない先進的な放射線治療として普及が期待されている。(原田成樹)

                   

正常細胞に影響せず

 がんの治療は主に手術による切除、抗がん剤投与、放射線療法の3種類があり、BNCTは放射線療法の一種だ。

 ホウ素の同位体を点滴などで患者に注入し、がん細胞だけに取り込ませる。その後、中性子を当ててホウ素の核分裂を発生させ、飛び出すリチウム原子とアルファ粒子でがん細胞のDNAなどを破壊する仕組み。粒子などが飛ぶ距離はごく短いため周りの正常な細胞には影響を与えず、副作用が少ない利点がある。

 1950年代に米国で治療が試みられたが、当時はホウ素の薬剤や中性子線の質が悪く、成績が芳しくなかった。現在、主に使われている薬剤はフェニルアラニンというアミノ酸にホウ素を付けた化合物。がんは増殖のため正常細胞より多くのアミノ酸を必要とするため、がん細胞によく集まるのが特徴だ。

続きを読む

「ライフ」のランキング