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【至誠の人 揖取素彦物語(65)】中村紀雄 県令、強引果敢に動く 

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【至誠の人 揖取素彦物語(65)】
中村紀雄 県令、強引果敢に動く 

 県都は前橋

 楫取は強引にことを実行した。中央政府を容易に動かしてまで進める様はさすが松陰の義弟と思わせた。高崎町民は怒って県庁に押しかけ、遂(つい)には訴訟まで起こしたが、もはやどうにもならなかった。

 楫取が第二次群馬県成立に当たって見せた行動は、このように果敢なものであった。

 ある日、前橋の商人があつまって寄付金の協議をした。目標額は3万円。

 善太郎が口火を切って言った。

 「わしが一本は出そう」

 善太郎は指一本を立ててこともなげに言う。

 皆が千円だと思っていると、

 「千円ではどうにもなるまい。1万円です」

 ものに驚かない糸の商人たちも度胆をぬかれた。翌日の集まりの時、善太郎は番頭に1万円を背負わせてみんなの前に出した。ためらっている人たちも、これで覚悟した。

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