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【書評】『白衣の嘘』長岡弘樹著 心地よい「やられた感」にひたれる

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【書評】
『白衣の嘘』長岡弘樹著 心地よい「やられた感」にひたれる

『白衣の嘘』長岡弘樹著 『白衣の嘘』長岡弘樹著

 『傍聞き』『教場』で一躍、人気ミステリー作家となった長岡弘樹、今作の短編集は病院が舞台になっている。

 姉妹の交錯する思いが悲しい「涙の成分比」、医師たちの人間模様がよく分かる「彼岸の坂道」…。どれも登場人物の骨格、情景が簡潔な言葉で打ち出されるから、短編ながら読者はすぐに物語の世界に入り込める。ちりばめられた伏線の回収は、すでに名人の域。安心して、心地よい「やられた感」にひたれる。

 生死や事件に関わる切ない話も多いが、書きぶりが温かいのか、読後はつらくない。(KADOKAWA・1400円+税)

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