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【至誠の人 揖取素彦物語(64)】中村紀雄 「県庁はぜひ前橋に」

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【至誠の人 揖取素彦物語(64)】
中村紀雄 「県庁はぜひ前橋に」

 下村善太郎

 善太郎は静かに応接間に座り、深々と頭を下げた。理知的な表情の中に品格がにじんでいる。もっと、ぎらぎらした闘士の顔を予想していた楫取が、いささか驚いていると、

 「前橋の商人、下村善太郎でございます」

 「おお、あなたが下村殿か。お噂はかねがね。私も一度お目にかかってみたいと思っておりました」

 「実は今日、どうしてもお願いしたいことがあって失礼を承知で、お訪ねいたしました。県庁はぜひ、前橋に定めてもらいたいと同志を代表して、お願いに参りました」

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