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【話の肖像画】写真家・篠山紀信(4)「彫刻ならオッパイや性器が見えていてもいいわけでしょ。芸術だから。怪しいよね、芸術って」

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【話の肖像画】
写真家・篠山紀信(4)「彫刻ならオッパイや性器が見えていてもいいわけでしょ。芸術だから。怪しいよね、芸術って」

カール・ミレス「太陽の輝き」2015年 (篠山紀信撮影) カール・ミレス「太陽の輝き」2015年 (篠山紀信撮影)

 どしゃぶりの日も、もちろんびしょ濡れで撮影しました。だって雨に打たれる彫刻なんて、オイシイじゃないですか。その瞬間、瞬間をとらえるライブの感覚が大切なんです。

 いまは皆、スマートフォンでバンバン撮って、これが結構うまい。だからプロは大変。雨が降ろうが風が吹こうが、「普通は撮らないだろ」というときこそ撮らないとダメ。それに生身のモデルはあんな雨の中に立たせると怒るでしょう。その点、彫刻はいいですね。けなげに黙ってますからね。

 〈水が滴るブロンズの肢体、女性像の何ともいえない表情、柔らかい光を帯びたヘンリー・ムーア作品…。アングルや切り取り方のせいだろうか、抽象彫刻でさえエロチックに見える〉

 僕のものづくりの基本はエロチシズム。別に裸の女性を撮っているときにだけエロを感じるわけじゃない。裸でも服を着ていても、風景でも建物でも彫刻でも、いいものは全部、色気がある。人を惹(ひ)きつける。そのエロチシズムをちゃんととらえたとき、皆さんも「いいね、いい写真だね」と感じるんだと思う。

 美術館の敷地内にはたくさんの彫刻があるけれど、今回は自分がエロスを感じた作品のみを撮り下ろした。それにしても、彫刻ならオッパイや性器が見えていてもいいわけでしょ。芸術だから。怪しいよね、芸術って。

 まあ僕は、あらゆるジャンルのいいモノに常に発情する、変態の写真家ですよ。だから基本、僕の写真はエロいんです。よく言えば、才能があるということ(笑)。(聞き手 黒沢綾子)

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