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【正論】反対の流派を排斥する教授、人事を決める有力者の意向…日本の研究環境に不安はないか 精神科医・国際医療福祉大学教授 和田秀樹

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【正論】
反対の流派を排斥する教授、人事を決める有力者の意向…日本の研究環境に不安はないか 精神科医・国際医療福祉大学教授 和田秀樹

和田秀樹氏 和田秀樹氏

 実は、日本中の81の大学医学部で、精神療法を専門にする人が精神科の主任教授である大学は一つもない(教授になってから勉強する人がいることは否定しない)。私も米国に留学して痛感したが、心のケアのトレーニング・システムがなっていないのだ。

 日本の研究環境は性善説で成り立っている。一度教授になれば刑事事件でも起こさない限り、教授で居続けることができる。大隅博士のような人が教授になれば、長年にわたり素晴らしい研究環境が部下に確保されるだろう。しかし、前述のように、その教授の考えに反する研究を許さない人なら、教授が定年を迎えるまで研究が止まってしまうこともある。

 ≪旧態依然のシステム改善が急務≫

 モラルの面でも問題だ。日本初の降圧剤の大規模調査で論文の改竄(かいざん)が問題になったディオバン事件では、研究の責任者だった教授はその非を問われなかったばかりか、その後、学会の代表理事に就任している。

 教授会で教授を決めるシステムも、長く教授をやっている有力者の意向で、人事が決まりやすい問題点が指摘されている。

 米国ではディーンという教授のスカウト係が優秀な人間を引き抜いてくるシステムが標準であり、また研究室の中で教授が何人もいるので、研究者たちの選択の幅も大きい。また、若くして教授になりやすいため上の顔色をうかがわずに自由な発想で研究ができる。

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