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【正論】反対の流派を排斥する教授、人事を決める有力者の意向…日本の研究環境に不安はないか 精神科医・国際医療福祉大学教授 和田秀樹

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【正論】
反対の流派を排斥する教授、人事を決める有力者の意向…日本の研究環境に不安はないか 精神科医・国際医療福祉大学教授 和田秀樹

和田秀樹氏 和田秀樹氏

 大隅良典博士のノーベル医学・生理学賞の受賞のニュースは日本人として大変誇らしいものだ。

 iPS細胞にも勝るとも劣らないとされる研究の将来性と単独受賞であったことはまさに快挙だ。ご本人は自由な研究環境に恵まれたことに謝意を述べ、博士の指導を受けた研究者たちには、どんなアイデアにも耳を傾ける素晴らしい人物と評価が高い。

 これまでノーベル賞を受けたすべての日本人が、国内の国立大学を卒業した人であるように(海外の大学院に留学した人はいるが海外の大学に入学した人はいない)、厳しい受験勉強を経てきた人たちの基礎学力は高いのだから、研究環境に恵まれれば、日本の将来は明るいといえる。

 ≪なぜ医学部は成果が出せないか≫

 しかし一方で、ノーベル医学・生理学賞の4人の受賞者のうち、医学部を卒業したのは、山中伸弥氏のみ。その山中氏も大学の医学部ではなく、奈良先端科学技術大学院大学で行った研究がノーベル賞の対象だったように、日本でいちばん基礎学力が高い学生を集めているはずの国立大学医学部の研究成果は、決して高くない。

 50年も前に『白い巨塔』で問題にされた大学医学部のヒエラルキー構造の強さのため、教授や学会ボスのパーソナリティーに問題があると、とても自由な研究環境は享受できない。

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