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ボブ・ディランにノーベル賞 未来へ繋ぐ根源的な文学表現 寄稿・中川五郎

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ボブ・ディランにノーベル賞 未来へ繋ぐ根源的な文学表現 寄稿・中川五郎

今年のノーベル文学賞に選ばれたボブ・ディラン氏(AP) 今年のノーベル文学賞に選ばれたボブ・ディラン氏(AP)

 今年のノーベル文学賞はボブ・ディランに与えられるという発表があってから数日が過ぎ、それを祝い、喜ぶ声と共に、おかしいじゃないかと疑問視する怒りの声も聞こえてくる。曰く、「どうして歌手が」、「あんなものは文学ではない」というものだ。そうした声があがってくるのはぼくにはよくわかる。文学とは紙の上に綴(つづ)られたもの、本になったもの、言葉だけで表現されたものと考える人たちにとっては、ボブ・ディランの歌はあまりにも異質で、自分たちが定める「文学」という狭い枠の中に捉えることが決してできないのだ。

 ボブ・ディランの歌詞を日本語に訳す仕事をし、『ボブ・ディラン全詩集』という本も出したことがあるぼくのもとには、この5年ほど、毎年ノーベル賞の季節になると、文学賞の候補の一人としてディランの名前が挙がっているので、受賞した時はコメントをほしいという連絡が新聞社や通信社から入っていた。そしていつもは「だめでした」という連絡が来ていたのだが、今年は驚いたことについに受賞が決まり、ぼくのような者もあちこちからコメントを求められることになった。

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