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【大学ナビ】針路を聞く 成蹊大学・北川浩学長 専門性深め知のコラボ目指す

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【大学ナビ】
針路を聞く 成蹊大学・北川浩学長 専門性深め知のコラボ目指す

 ■半世紀ぶり学部構成変革に挑む

 東京都武蔵野市にキャンパスをもつ成蹊大学は、明治45年に創立した成蹊実務学校を源流とし、「個性を尊重し、自ら進んで学ぼうとする人間を育てる」という創立者・中村春二(はるじ)の理念のもと、有為な人材を輩出している。今年4月に就任した北川浩学長に、目指す大学像などを聞いた。(編集委員 高橋昌之)

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 --就任から半年が経過したが

 「すごく長い時間に感じている。本学は昭和43年に経済学部、法学部、文学部、工学部の4学部になり、半世紀にわたり、基本的に構成が変わっていない数少ない大学だ。私はその学部構成を変えると言って学長になった。組織を変えるのは大変だが、それに挑んでいる」

 --学部構成を変える理由は

 「時代がかなりのスピードで動いている。日本の少子高齢化は本格化し、人口減少社会に突入する。また、ITの急速な進展の中で、社会科学は無防備だ。大学もこれまでと同じでいいはずはない。もっと個人が専門性を深め、そのうえで知のコラボができる新しい学部体系を作っていくべきだと考えている」

 --今後のスケジュールは

 「平成31年の大学開設70周年のタイミングで大きな改革を実現させることを目指したい。そのためには今年中に方向性を定める必要がある」

 --そのほかの取り組みは

 「私個人の構想としては、超大型の学生寮を造りたい。大学のダイバーシティ(多様な人材の積極活用)を上げるためには今こそ、寮が必要だ。学生はもちろん、社会人、外国人も入れるようにし、多様な価値観と接する。仲間内だけで人間関係を作りがちな今の学生には大きな意味がある」

 --創立者の教育理念とは

 「勉強、教育というのは自発の精神、つまり一生やり続けるものということだ。学校はその基礎を作る所ということが底流にある。『個性の尊重』『品性の陶冶(とうや)』『勤労の実践』が建学の精神で、このうち勤労の実践とは、実体験による気付きの教育であり、高等教育段階では実社会と接して自ら考え、行動することを意味する」

 --具体的には

 「仕事をすることによって社会と関わるという意識を段階的につけていく。1年次では人生の目的意識をもってもらう『キャリアプランニング』を行っている。その後に、仕事を具体的に実践する少人数の『キャリアセミナー』を経て、インターンシップに進む。また独自の人材育成プログラムである『丸の内ビジネス研修』は、3年次に学部横断で学生を選抜し、企業が出す課題に取り組んで発表を行う実践的な内容だ」

 --少人数教育を重視している

 「ゼミを1年から4年まで設け、1年前期と3年、4年は必修に。教師と学生の距離を近くすることが個性の尊重になる」

 --国際教育が充実している

 「まず1年生を対象に約1カ月間、オーストラリアの協定校に短期留学する『サマースクール』を実施している。2年生からは英語によるプレゼンテーションやディスカッションなど実践的な教育を行う学部横断型選抜制の『成蹊国際コース』を設けている。英語力だけでは国際人とはいえず、多様な価値観を受容できる力を身につける必要がある」

 --地域や社会への貢献は

 「研究の成果や知識を活用してもらうために、公開講座などを行っている。学生たちも地域への貢献を自ら考えてチャレンジしてもらいたい」

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【プロフィル】北川浩

 きたがわ・ひろし 昭和35年生まれ。59年一橋大学卒業後、平成元年同大学大学院経済学研究科博士後期課程単位取得満期退学。同年成蹊大学経済学部専任講師に就任、助教授を経て、11年同学部教授。学長補佐、経済学部長などを歴任。山口県出身。56歳。

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