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介護福祉はクリエイティブな仕事 障がい者の就労支援事業「恋する豚研究所」

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介護福祉はクリエイティブな仕事 障がい者の就労支援事業「恋する豚研究所」

介護・福祉問題の、クリエイティブな解決方法 介護・福祉問題の、クリエイティブな解決方法

 その後、2015年から始まったプロジェクトについてもお話しいただきました。

 ◆地域循環型エネルギーの流れを作る「里山プロジェクト」(千葉県香取市)

 日本の国土のうちの70%が山、12%が農地。この8割の土地が荒れてきていることが問題となってきています。原因は、林業従事者の高齢化、材木価格の低下。そこで飯田さんは、障がい者の働く場を里山にも広げる試みを始めました。自伐型林業と呼ばれる間伐作業の工程を細かく分解して、各作業に必要な道具を作業や、どこでどのような安全点検が必要かを全て見える化することで、障がい者や、認知症の方でもできる作業が生まれると考えています。

 「林業や農業というと端から難しいと思ってしまうと思いますが、作業を分解して見える化する。福祉の世界では「構造化」と言いますが、そうるすることで『難しい』という心のバリアをなくしてあげられると思うのです」

 また林業従事者側には「本当に薪が売れるのか」という心配が出てきます。そこでまきボイラーを福祉施設に導入してもらい、一定量の需要を確保したいと考えています。。このように需要と供給のバランスが取れている環境を整備することで、里山を永続的にきれいに保ち、経営も持続する仕組みが成り立ちます。

 「誰が一番喜ぶかというと、地域の高齢者です。地域の心配事を一つひとつ紐解いて、取り除いていってあげることが、地域に関わるうえで大事だと思っています。それが僕たちの役割です」

 ◆地域のニーズは、地域で解決する

 概念を先に作らず、まずは身の回りにあるニーズを受ける。そして自分の身の回りにあるもので解決できそうであれば解決を試みる。その繰り返しを飯田さんは「コミュニティ・イン」と呼んでいました。

 「PRESENT」の参加者は、意欲ある若手です。医療介護福祉の分野において、外に目を向け多くのことを学び実践しようとしています。そんな参加者が、一旦立ち止まり、身の回りを捉え直す良い機会になったのではないでしょうか。

【医師プロフィール】田中 公孝(家庭医) 2009年滋賀医科大学医学部卒業。2011年滋賀医科大学医学部附属病院にて初期臨床研修修了。2015年医療福祉生協連家庭医療学開発センター (CFMD)の家庭医療後期研修修了後、引き続き家庭医として診療に従事。医療介護業界のソーシャルデザインを目指し、「HEISEI KAIGO LEARDERS」運営メンバーに参加。イベント企画、ファシリテーターとして活躍中。

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