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【正論】日本の真の自立のために「七難八苦」を与えよ 今こそ山中鹿之助の精神に学べ 文芸批評家、都留文科大学教授・新保祐司

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【正論】
日本の真の自立のために「七難八苦」を与えよ 今こそ山中鹿之助の精神に学べ 文芸批評家、都留文科大学教授・新保祐司

 山中鹿之助は、出雲の富田にある月山城を居城に山陰を治めた尼子氏の家臣である。勢力を拡大してきた毛利氏に月山城を攻め落とされ、尼子氏が毛利氏の軍門に下った後も、鹿之助は一途に主家の再興を計って幾多の戦いを続けた末に捕らえられた。そして、ついに謀殺された悲運の武将である。

 実は、鹿之助は戦前にはかなり有名な武将であった。明治に入ってから『尼子十勇士伝』をはじめ、立川文庫の一編『山中鹿之助』などによって、鹿之助は国民的英雄となっていく。そして、昭和12年度から使用された『小学校国語読本尋常科用巻九』には「三日月の影」という作品が載っていた。少年時代の鹿之助が兄から先祖伝来の冑(かぶと)を譲られて感激し、山の端に昇ってきた三日月を仰いで「願わくば我(われ)に七難八苦を与え給(たま)え」と祈ったという話である。これにより、当時の少年少女によく知られた歴史上の人物となった。

 ≪頼山陽や勝海舟が高く評価≫

 成人した鹿之助が七難八苦に耐えて何をしようとしたかというと主家である尼子氏の再興であり、どんな困難にも打ち勝って主君のために尽くそうという精神は、戦時中の忠君愛国の時代思潮に適合するものでもあった。戦前は、このように忠義の士としての人物像が形成されていたのであった。

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