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「カリエール展」 象徴主義を代表、その軌跡たどる

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「カリエール展」 象徴主義を代表、その軌跡たどる

「手紙」1887年頃 個人蔵 「手紙」1887年頃 個人蔵

 19世紀フランス象徴主義を代表する画家、ウジェーヌ・カリエール(1849~1906年)。没後110年を記念する回顧展が、東京・新宿の損保ジャパン日本興亜美術館で開かれている。

 カリエールが好んで題材にしたのは家族など身近な人たちだった。「手紙」は2人の子供の顔が闇の中から浮かび上がる。顔を伏せて手紙を読んでいるのは長女のエリーズで、前を見ているのは次女とされる。カリエールは7人の子を持ち、一人一人をやさしいまなざしで慈しむように描写した。

 褐色の画面の中に人物などを描いた作品で知られるが、もともと作品が暗かったわけではなかった。「羊飼いと羊の群れ」(1877~80年頃)は、ブルーやピンクが混じり合う複雑な色彩で幻想味たっぷり。いかにも象徴主義らしい絵画だ。作品に大きな変化が見られるのは85年以後。4歳の長男の死去をきっかけに画面から色が失われ、重厚な作風で人間の内面に深く入り込んでいくカリエールらしい絵画となっていった。初期から晩年まで約80点を紹介する本展は、画家の軌跡を見ることができる。

 11月20日まで、月曜休。一般1300円。問い合わせはハローダイヤル(電)03・5777・8600。

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