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「認知症の人に優しい図書館」 まずは、知ることから

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「認知症の人に優しい図書館」 まずは、知ることから

神奈川県図書館協会の研修会では、コミュニケーション実習も行われた。1人が幾何学模様を言葉で伝え、もう1人が再現する。お互いの抱く像が違うと認識することが、対応力向上の一歩という=横浜市 神奈川県図書館協会の研修会では、コミュニケーション実習も行われた。1人が幾何学模様を言葉で伝え、もう1人が再現する。お互いの抱く像が違うと認識することが、対応力向上の一歩という=横浜市

 筑波大の呑海(どんかい)沙織教授(図書館情報学)は「通い慣れた利用者は、本の手触りやにおいだけでも心が落ち着く。自分の居場所だと思ってもらえるように、スタッフが基礎知識を持って接することが大切。さらに、認知症の利用者が刺激を受けたり、役割を果たしたりできる機会を、図書館が提供できるといい」と言う。

 呑海教授は最近、認知症施策の進む英国を訪れた。ある図書館では、スタッフと認知症の人が閉館日に集まっておしゃべりをする試みをしていた。テーマはスポーツ。ラケットやボール、関連する本に触れて体験などを話し、場がほぐれたら空きスペースでゲートボールなどに興じる。

 懐かしい思い出を語り合ったり、古い道具や映像に触れて話をしたりすることは、脳を活性化させ、心を落ち着かせる。「回想法」と呼ばれる認知症予防の一つだ。図書館のなかには、過去を振り返るツールとして、昔の映画や音楽などの視聴覚資料、古いおもちゃや絵はがきなどをセットにして貸し出すところもある。

 呑海教授は「当事者を交えてサービスを作っていくことが大切。そうすれば、予想しなかった取り組みも生まれる。当事者と一緒に『こんなサービスがあるといい』とアイデアを出すところから始めてみては」と話している。

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