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「認知症の人に優しい図書館」 まずは、知ることから

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「認知症の人に優しい図書館」 まずは、知ることから

神奈川県図書館協会の研修会では、コミュニケーション実習も行われた。1人が幾何学模様を言葉で伝え、もう1人が再現する。お互いの抱く像が違うと認識することが、対応力向上の一歩という=横浜市 神奈川県図書館協会の研修会では、コミュニケーション実習も行われた。1人が幾何学模様を言葉で伝え、もう1人が再現する。お互いの抱く像が違うと認識することが、対応力向上の一歩という=横浜市

 研修を企画したのは、川崎市立宮前図書館の舟田彰さんら。舟田さん自身ここ1、2年で、認知症と思われる利用者やその家族と接する機会が増えた。何度も同じことを聞く人、図書館の本と自分の本の区別がつかなくなってしまう人…。他の図書館で働く人と話しても、みんな同じ課題を抱えていた。

 同図書館では、まずは知識を得るため、職員が「認知症サポーター養成講座」を受講。対応の仕方などを学んだ。気配りが必要な利用者の情報を、職員同士が打ち合わせで共有したり、家族に「こんな対応をさせていただきます」と声をかけたりもする。

 認知症に関する書籍コーナーも作った。通常は「福祉」「法律」「文学」などの棚にバラバラに置かれている介護本や体験記などを1カ所に集めると、貸し出しが急に増えた。「必要としている人が多いと実感した」。介護の拠点「地域包括支援センター」とも情報交換をする。

 「目的もなくふらっと出かけ、誰にも干渉されずに過ごせるのが図書館の強み。認知症の人ができるだけ長く地域で暮らせるよう、当たり前のことを、当たり前にしていきたい」と舟田さんは話している。

                   

 国際図書館連盟(IFLA)は2007年、「認知症の人のための図書館サービスガイドライン」を公表。文化、文学および情報にアクセスする権利は、すべての人に与えられていることを指摘した上で、「読み物や音楽は、記憶の刺激に役立ち、同時に喜びや楽しみも提供する」とした。認知症をはじめ、情報を得にくい人への配慮を手厚くしようとの機運がある。

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