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【話の肖像画】PL学園野球部元監督・中村順司(3)KK、あんなコンビは現れない

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【話の肖像画】
PL学園野球部元監督・中村順司(3)KK、あんなコンビは現れない

昭和60年、宇部商との夏の甲子園決勝を制し、ウイニングボールを手にするPL学園の清原和博(左)と桑田真澄 昭和60年、宇部商との夏の甲子園決勝を制し、ウイニングボールを手にするPL学園の清原和博(左)と桑田真澄

 〈桑田は戦後の学制改革以降で最多の甲子園通算20勝、清原は歴代最多の甲子園通算13本塁打の金字塔を打ち立てた。いずれも更新が難しいとされる大記録で、桑田は歴代2位タイの6本塁打も記録している〉

 甲子園で20勝ですよ。150キロを超える速球を投げて1試合や1大会限定で輝きを放つ投手はいても、5大会続けて輝き続けるのは不可能に近い。しかも、プロで活躍することを目指していた桑田は、あえて直球とカーブしか投げなかった。ほかの球種も使えたはずなので、持てる力を出し切っていたらどれだけのピッチングをしたでしょうか。清原もチームの勝利を最優先に考えるタイプだったので、自分から進塁打を打つような打者でした。監督として制約をかけた打席もありましたし、自由に打たせていたらホームランの数はもっと増えていたと思いますよ。

 〈野球にひたむきだった高校時代の清原を知るだけに、覚せい剤取締法違反で有罪判決を受けたことに信じられない思いでいる。同時に清原をよく知るからこそ更生を信じてもいる〉

 初めての甲子園で、緊張から神経性の腹痛を起こしたように細やかで、ヒットを打った相手選手に塁上で「ナイスバッティング」と声を掛けるような優しい男です。伊野商に負けた際には3三振を喫し、泣きながらベンチで片付けをしていた。雪辱を誓って、マウンド上の下級生に「もう1歩前、もう1歩前」と言って至近距離から投げ込ませてボールを打ち込み、3年夏の最後の甲子園で1大会最多記録の5本塁打を放ち、再び大粒の涙を流した姿を私は見ています。もう一度、3年生の春に負けてから夏に雪辱するまでに費やした努力の日々を思い出してほしい。そして、何とか立ち直ってもらいたい。(聞き手 奥山次郎)

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