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【大学ナビ】針路を聞く 関東学院大学・規矩大義学長

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【大学ナビ】
針路を聞く 関東学院大学・規矩大義学長

 ■新学部・学科でも「実学」継承

 明治17年創立の横浜バプテスト神学校を源流とする関東学院大学(本部・横浜市金沢区)はキリスト教の学校として知られる。来年4月には新学部の経営学部(定員333人)と、法学部の新学科、地域創生学科(同100人)が設置される予定だ。規矩大義(きく・ひろよし)学長に開設の狙いなどを聞いた。(編集委員 斎藤浩)

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 --経営学部の特徴は

 「経済学部経営学科を発展的に独立させます。企業の現場の視点を取り入れ、実際のビジネスの視点をもった即戦力となる人材育成を目指します。もっとわかりやすく言うと、『街に出て学ぼう』という学部です。従来の単なる学生の職業体験を超えた新たな教育の場です。この教育の場に学生、教員、企業人が参画し、お互いに学び合う形を理想としています」

 --具体的な教育内容は

 「経営学部のサポート企業『K-biz(ビズ)』を組織します。『K-biz』には、京浜急行電鉄や三菱東京UFJ銀行などから地域の企業までさまざまな業種の10社程度が参加しますが、学生を育てる場を一緒に構築していただきます。1年生から、そこでビジネスの理論と実践を学びます。開学以来の遺伝子である『実学』を受け継いだ新しい学部です。実社会に適応でき、課題解決ができる学生を育てます」

 --地域創生学科の特色は

 「地方自治の専門家の養成を目指します。日本は現在、地盤沈下の傾向にある自治体が多いですが、そうした自治体を救うことができる人材の育成を目指します。やはり新学科も『実学』を尊重し、神奈川県の10自治体(横浜市、川崎市、横須賀市、鎌倉市、逗子市、三浦市、厚木市、茅ケ崎市、小田原市、葉山町)が1科目ずつ担当する『地域創生特論科目群』では、首長や職員が講義を行い、自治体の現場の視点から見た課題や地域行政を教えます」

 --地域創生学科では公務員を目指す学生が多くなると思うが

 「大学で受講できる公務員試験対策講座はもちろん、外部の予備校の講座では、受講料補助など、手厚くサポートします」

 --文部科学省が発表した「平成26年度大学等における産学連携等実施状況について」の「特許権実施等件数(外国分を含む)」で私大で1位、全国で7位だ

 「大学の前身である専門学校だった1940年代から大学と自治体、企業が共同で研究開発や事業を行う産官学連携に取り組んできました。約50年前に世界初のプラスチック上のメッキ技術の減量化に成功しました。この技術で自動車の軽量化が図られました。私大1位は、大学が蓄積してきた技術によるものです」

 --来年4月に国際研究研修センターを開設するが

 「大学の財産であるメッキ技術は学内の材料・表面工学研究所で日々研究が行われています。ここで生まれた技術はスマートフォンやパソコンなど電子機器の小型化や医療機器に貢献しています。国際研究研修センターは湘南・小田原キャンパスに開設し、研究所も移転します。研究所を核に、センターを大学の研究拠点としていきます。海産物が名産品の小田原という地の利をいかした食品分野の研究もできます。海外から若い技術者を呼ぶほか、将来は文系の研究も行いたいです」

 --校訓の「人になれ 奉仕せよ」とは

 「大正8年、中学関東学院の第1回入学式で初代院長の坂田祐(たすく)(1878~1969年)が入学生に贈った言葉で、建学の精神です。キリストの教訓をもって人たるの人格をみがき、キリストの愛の精神をもって奉仕するという意味ですが、現在の大学にとって、人になれとは『学び続けなさい』の意味。奉仕せよとは『社会地域へ』と解釈しています。奉仕とは単なるボランティアでなく、その前提として、人間として成長するための勉強が必要であると学生には説いています」

 --オープンキャンパスは

 「来月2日です。同29、30日にも大学祭と入試相談会があります。私たちの大学は、学生の面倒見が良いことが“セールスポイント”。親御さんには大学を訪れ、体験いただきたいです」

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【プロフィル】規矩大義

 きく・ひろよし 昭和38年生まれ。平成5年、九州工業大学大学院工学研究科博士後期課程修了。佐藤工業研究員を経て、平成14年、関東学院大学。理工学部長を経て、25年12月から学長。専門は地盤工学、地盤防災工学。53歳。

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