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「ひとり出版社」続々 企画から編集、営業まで 新たな名作期待

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「ひとり出版社」続々 企画から編集、営業まで 新たな名作期待

「多くの人に長く読まれる本を作りたい」と話す「鉄筆」の渡辺浩章さん 「多くの人に長く読まれる本を作りたい」と話す「鉄筆」の渡辺浩章さん

 出版不況により出版社の数が減り続ける中、1人で本の企画から編集、営業を担い全国に本を販売する、いわゆる「ひとり出版社」の存在感が高まっている。平成23年の東日本大震災を機に創業した人もいる。ひとり出版社を取り巻く背景を探った。(村島有紀)

                   

文庫レーベル創刊

 「魂に背く出版はしない」という社是を掲げる出版社「鉄筆」(東京)。代表の渡辺浩章さん(52)は東日本大震災が起こったとき、大手出版社の書籍販売部長だった。都内の本社から歩いて自宅に向かい、妻子を探したが見つからない。その後、親戚の家に避難して無事だと分かったが、生きた心地がしなかったという。

 入社時から「本を作りたい」と希望しながら雑誌編集や販売畑を歩んできた渡辺さん。「明日死んでも悔いがないように生きたい」と、50歳を目前に退社を決意。都内のビルの一室を借りて創業し、26年7月に「鉄筆文庫」を創刊した。第一作には直木賞作家、白石一文さんの『翼』を選んだ。小規模出版社としては異例の文庫レーベル創刊を意気に感じた多くの書店員らの協力もあって、『翼』は10万部のヒット。以来、3カ月に1冊のペースで刊行を続ける。

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