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【北海道男児不明】置き去りはしつけ? 虐待との線引きとその是非は

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【北海道男児不明】
置き去りはしつけ? 虐待との線引きとその是非は

田野岡大和君が保護され、心境を語る父親の貴之さん=3日、北海道函館市 田野岡大和君が保護され、心境を語る父親の貴之さん=3日、北海道函館市

 田野岡大和君が行方不明となった発端は、山林に置き去りにするという父親の“しつけ”だった。「虐待ではないか」との指摘もある中、父親の行為について専門家の見方は分かれる。

 「子供の発達に好ましい影響があるのがしつけ、弊害となるのが虐待だ。置き去りは殴られることより不安を与え、存在が否定されたと受け取られる。しつけにはなり得ない」。臨床心理士で「こころぎふ臨床心理センター」の長谷川博一センター長はこう話す。

 長谷川氏は、幼少期に置き去られた経験を持つ人の相談を受けてきたが、大人になっても恐怖心や不安が残るケースは多いという。大和君の場合も「性格の形成に影響する恐れがある」と懸念した。

 一方、元大阪市中央児童相談所長の津崎哲郎関西大客員教授は「しつけとしての常識は超えている」としながらも「罰の在り方だけで虐待かどうかは見えない。親が普段、子供にどういう接し方をしているか、子供が家庭や親をどう見ているかを考慮する必要がある」との見方を示す。

 津崎氏によると、最近の親は孤立しがちで、親から子に伝えられてきた子育てのノウハウを持たない傾向にある。言うことをきかない子供に手を焼くことは昔からあるが、同じ場面でも「ノウハウがないから突拍子もないことをしてしまいがち」という。

 津崎氏は母子手帳に対処方法を盛り込むことや、保健所や児童相談所など子育ての悩みに応じる機関があることを改めて周知する必要があると話した。

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