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【東秩父物語(1)】都心から1時間40分に残された埼玉県唯一の村は静かすぎて眠れないほど美しかった… 

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【東秩父物語(1)】
都心から1時間40分に残された埼玉県唯一の村は静かすぎて眠れないほど美しかった… 

埼玉県東秩父村のバス停そばの道では、八重桜が満開だった=4月24日、同村安戸 埼玉県東秩父村のバス停そばの道では、八重桜が満開だった=4月24日、同村安戸

 持ち歌は演歌などのカバーのほかにオリジナルが2曲。田中さん作詞の「槻川の女(ひと)」と、外秩父の七峰(ななみね)を歌詞に織り込んだ「七峰」だ。作曲は東京でバンドを学んだ馬場和彦さん(61)。

 七峰は東武鉄道の縦走ハイキングコースになっている。「♪晩春の七峰 新緑の香り 見下ろすパノラマ 登谷(とや)の夕日…」。歌詞は村自慢でもある。  

    ■  ■

 田中さんによると、初舞台は一昨年8月の納涼祭。その冬、村伝統の「細川紙」が国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録され、東秩父は一躍全国区の村になった。

 「せっかくもらった無形文化遺産、これをチャンスにしたい」と田中さん。「村に来た人が『あんまりうまくないけど結構本気でやってるね』と思ってくれればいいかなと。それがバンドをやってる理由でもあるんですよ」

 田中さんは1歳半のときに秩父から村に移り、「それ以来、住まいは村から外に一歩も出ていない」。村で生まれ育った妻の幸子さん(63)と職場結婚し、息子2人を育て上げた。

 村には鉄道も病院もスーパーもない。コンビニはもちろんない。

 「不便は不便だね。仕事が終わってから開いている店も少ない。若い者に『村にいろ』と言っても、職場は遠いし、説得力はない」

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