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【保育園開園中止】「建設ありき」に住民反発 市・事業者、告知遅れ説明不足 市川市の断念問題

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【保育園開園中止】
「建設ありき」に住民反発 市・事業者、告知遅れ説明不足 市川市の断念問題

開園が断念された保育園の建設予定地。目の前の道路は狭く、住民から安全上の不安を訴える声が多く上がっていた=市川市菅野(大島悠亮撮影) 開園が断念された保育園の建設予定地。目の前の道路は狭く、住民から安全上の不安を訴える声が多く上がっていた=市川市菅野(大島悠亮撮影)

 千葉県市川市で4月に予定されていた保育園の開園が、周辺住民の反対で取りやめられた問題では、同市に「市のイメージが落ちた」などと約250件の意見が寄せられた。周辺住民を批判する意見もあり、近隣に「子供嫌いの町会万歳」と書かれた紙が投函(とうかん)されるいたずらも起きた。だが、取材を進めると、単なる「住民エゴ」とは言えない市や事業者側の対応のまずさも浮かぶ。専門家からは民間任せの許認可行政の弊害を指摘する声が聞かれる。(大島悠亮、山本浩輔、林修太郎)

 「交通の安全対策や不安への対応について説明をしようとしても、『白紙撤回しろ』と聞く耳を持ってもらえなかった」

 昨年10月から3回行われた保育園開設の住民説明会の様子について、市側はこう説明する。だが、住民側の主張は食い違う。近隣に住む女性は「住民の懸念を諭すように伝えても、ふてくされたような態度をとる。嘘でも教育理念を語ってほしかった」。幼い子供がいるという別の40代の女性も、「要望を伝えてもゼロ回答で『建設ありき』だと思った。確かに音の不安を訴える住民はいたが、十分な説明があれば納得する人も多いはず」と、市や事業者の対応が反対理由だったと話す。この女性は「なぜこんなことになるのでしょうか」と涙を浮かべて話した。

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