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【話の肖像画】無酸素登山家・小西浩文(1)導かれるように8000メートルの「死の世界」へ

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【話の肖像画】
無酸素登山家・小西浩文(1)導かれるように8000メートルの「死の世界」へ

無酸素登山家・小西浩文(原田成樹撮影) 無酸素登山家・小西浩文(原田成樹撮影)

 〈酸素ボンベを使わず、8千メートル峰全14座のうち1997(平成9)年までに6座を制覇。当時の日本人最多記録であり、歴代でも2位。日本の無酸素登山をリードしてきた〉

 原体験は、高松市に住んでいた幼稚園の頃、200メートルあるかないかの山を見て、あの山の向こうには何があるのだろう、上に立って見てみたいなと漠然と思ったことです。そして、小学校のときに住んでいた兵庫県宝塚市に仁川渓谷という場所があるのですが、そこで40メートルぐらいのほぼ垂直で、凹凸もほとんどない岩壁をロープに頼らず登っている人がいました。あの人が登れているのに自分は怖がっている。無性に悔しさを感じました。今でも、なぜ危険な山に登るのですかと聞かれますが、危険だから、怖いから、克服するために行くのです。

 〈高校では山岳部に入り冬山と岩壁登攀(とうはん)に明け暮れた〉

 進学した大阪の北陽高校(現関西大学北陽高校)はサッカーや野球の名門。中学でやっていたサッカー部にも気は動きましたが、部活紹介を聞いているうちに1回山登りをやってみようかと、その程度の気持ちでした。入ってすぐ六甲山のロックガーデンにある岩壁で岩登りをしましたし、2年では北アルプスや南アルプスの冬山にばんばん行くようになりました。社会人山岳会に入っているOBが指導してくれ、岩登りも冬山も思いっきりやっていました。他校のことは知りませんでしたが、あとで聞くと、高校のレベルを超えた活動だったようです。

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