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【書評】味のために充実した人生を…文筆家・木村衣有子が読む『コーヒーの人 仕事と人生』

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【書評】
味のために充実した人生を…文筆家・木村衣有子が読む『コーヒーの人 仕事と人生』

「コーヒーの人 仕事と人生」大坊勝次、田中勝幸、國友栄一、濱田大介、松島大介+加藤健宏著(フィルムアート社) 「コーヒーの人 仕事と人生」大坊勝次、田中勝幸、國友栄一、濱田大介、松島大介+加藤健宏著(フィルムアート社)

 コーヒーを淹(い)れることを生業にした6人の身の上話である。なぜ、この道を選んだのか? というところからはじまる、彼らの来し方行く末についての聞き書きが軸となっている。

 彼らは皆、東京都心でコーヒー店を営む。下北沢、表参道、代々木公園といった、都心中の都心で。

 「僕に嫌なことがあった日には味に出ますよ。だから常に充実した人生を送れるような環境をつくってる」という覚悟をもってコーヒーに向かい「下の世代を育てていこうというつもりもないです。人をたくさん雇おうというつもりもない。スタッフがたくさんいないと回らないというのは、ビジネスそのものだからね」と言い切る『ベアポンド・エスプレッソ』の田中勝幸さんの言葉に、東京らしさを感じるのはなぜだろう。力ある個人は輝きをいや増し、それがそのまま都の光となるからか。

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