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【広角レンズ】幕末、明治とどめた古写真 学問として解読、語り始める歴史

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【広角レンズ】
幕末、明治とどめた古写真 学問として解読、語り始める歴史

幕末有名人の集合写真とかつて紹介されていた通称「フルベッキ写真」(産業能率大学所蔵)

 ◆膨大な枚数参照

 写真館の敷物や小道具の微妙な変化から撮影年代を特定する-。膨大な古写真を蓄積・整理し、相互に参照して共通点や相違点を検討することで、単に1枚の写真を眺めただけでは分からなかったものが見えてくる。

 こうした手法で学問的に古写真を研究し、歴史情報を引き出す学問「歴史写真学」の確立を目指しているのが倉持基(もとい)・大東文化大非常勤講師(45)。近年、東大や長崎大、国際日本文化研究センターなどの研究機関で所蔵古写真のデジタル化が進んだことも追い風になり、「古写真の撮影年代や写真師の特定が、10年くらい前からできるようになってきた」と説明する。

 「従来の古写真は文書史料の傍証として副次的に扱われてきたが、写真から語ることができる歴史もあるのでは」。倉持さんは3年前、若い研究者を中心にした「古写真調査研究会」を設立。これからさらに研究を深めたいと意欲を語る。

 ◆現代に蘇る湿板

 幕末から明治初期にかけて撮影された古写真の多くは、湿板写真と呼ばれるものだ。カメラに感光剤を塗ったガラス板をセットし、乾かないうちに素早く撮影する手法で、日本では安政年間に伝来し、明治中期ごろまで用いられた。その後に発明されたフィルムと比べて手間がかかり、廃れて久しい撮影技法だが、ガラスに焼き付けられた画像には独特な深い陰影がある。

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