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元刑事・大沼さん 鎮魂の木像3000体突破 2万体目指し「命燃え尽きるまで」 宮城・角田市

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元刑事・大沼さん 鎮魂の木像3000体突破 2万体目指し「命燃え尽きるまで」 宮城・角田市

「傷つき、疲れた人を少しでも癒やせるだろうか」。3000体の木像には大沼敏修さんの思いが込められている=宮城県角田市

 宮城県警の元刑事、大沼敏修(としのぶ)さん(66)=宮城県角田市=が東日本大震災の犠牲者の鎮魂のために彫り続けた木像の数が、当初目標の3千体を突破した。だが、東日本大震災の死者・行方不明者数は約2万人。続けるかどうか迷い続けた大沼さんが21日、「2万体を目指し、この命が燃え尽きるまで彫刻刀を握ろうと思う」と決断した。(上田直輝)

 県警では42年間の現役生活のうち、39年6カ月を刑事として過ごした。木を彫り始めたのは約15年前、殺人事件の捜査中に枯れた松の木の枝を拾い、子供を抱いた母親のような像を作ったこと。以来、事件のたびに心を落ち着かせるため、事件の犠牲者に祈りを込めて彫刻刀を握った。

 震災発生後は犠牲者を弔うための木像制作を始め、昨年7月上旬ごろに1千体目が、今年5月上旬ごろに2千体目が完成した。

 木の持つ素材の優しさを生かそうと、何かに導かれるままに彫り続けてきた。そのほとんどが子供を抱く母親や、手を合わせた観音様の姿だ。「朽ち果てるものに輝きを、滅びゆくものに魂を」との思いで、枯れ木に新たな命を吹き込み、角田市の自宅や裏山に並べて公開している。

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