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【聞きたい。】車浮代さん『春画入門』 贅尽くした浮世絵の最高峰

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【聞きたい。】
車浮代さん『春画入門』 贅尽くした浮世絵の最高峰

 〈春画を観(み)ずして、浮世絵の真の凄(すご)さは語れない〉

 浮世絵に関する講演を依頼されると、必ず、この一言を強調してきたという。

 とはいえ国内では長らく、春画をじかに目にする機会は乏しかった。ようやくいま、日本で初めての「春画展」が東京・永青文庫で開かれ、世の関心も高まっている。浮世絵の神髄を知ってもらう好機が来た。

 本書は「春画」の入門書であると同時に、「浮世絵とは何か」から易しく解き明かしている。「既存の春画解説本の多くは、浮世絵を知っていることが前提になっている。でも、浮世絵が木版画であることを知らない方、詳しい技法がわからないという方は意外と多いんです」

 浮世絵は肉筆画と木版画に大きく分かれ、浮世絵版画とは「絵師、彫師(ほりし)、摺師(すりし)の技量がそろって初めて成立する総合芸術」と説く。「その最高レベルにあったのが春画錦絵です」

 春画本は8代将軍・徳川吉宗の時代に出版禁止となるが、アングラ化して、検閲を受けないことを良いことに、逆に贅(ぜい)を尽くした作品が多く生まれた。「春画の依頼を受けてこそ一流の絵師、彫摺(ちょうしゅう)職人と見なされたのです」

 印刷やグラフィックデザイン関連の仕事をしてきた経験から、とりわけ彫りの細かさや摺(す)りの美しさといった浮世絵の技術面の高さに注目してきたという。また版元や職人らが果たしたそれぞれの役割と人間模様は、ベストセラーとなった小説『蔦重(つたじゅう)の教え』(飛鳥新社)でも描いた。葛飾北斎の春画を題材にした小説『北斎春画かたり』(小学館)も近々刊行される。

 浮世絵の解説書を手掛けたのはこれが初めて。「長年の念願で

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